近年、スマートフォンの普及やライフスタイルの変化に伴い、フードデリバリーサービスの利用が拡大しています。特に、コロナ禍を経て「出前アプリ」は私たちの食生活においてより身近な存在となりました。多様なサービスが登場し競争が激化する中、消費者たちの利用状況はどうなっているのか、全国500人に出前アプリ利用状況についてアンケート調査を実施し、その結果についてまとめました
500人を対象に出前アプリについてのアンケート
調査概要
対象者:20歳~69歳の男女
サンプル数:500人
居住地:全国
調査方法:ネットリサーチ
アンケート実施日:2025年2月14日
質問と回答
質問:出前アプリを利用していますか?
質問に対しての回答選択肢は以下
1.ほぼ毎日利用している
2.週に数回利用している
3.月に数回利用している
4.2~3ヶ月に1回程度利用している
5.過去に利用したことがあるが、最近は利用していない
6.興味はあるが、まだ利用したことがない
7.利用する予定はない
出前アプリ日常利用者は約15%、「利用予定なし」が最多回答に
全国の20代〜60代の男女を対象に、「出前アプリを利用していますか?」というアンケートを実施したところ、最も多かった回答は「利用する予定はない」で42.0%でした。次いで、「興味はあるが、まだ利用したことはない」が23.6%、「過去に利用したことがあるが、最近は利用していない」が9.8%で続くという結果になりました。また、日常的に利用している方は約15%となりました。
男性の出前アプリ利用率高、背景に家事・仕事時間が関係か
男女別で見ると、出前アプリを利用している方は男性に多い傾向にあることが分かりました。男女共同参画局が発表している「家族類型(男女別)ごとの1日当たりの家事・育児・介護時間と仕事等時間」によると、どの家族形態においても、食事の準備・後片付けなどを含んだ「家事時間」が男性のほうが短いことがわかります。一方、「仕事等時間」は男性が長くなっています。仕事等時間が長く帰宅が遅い傾向があること、家事時間が短いことなどからも、自炊ではなく、出前アプリなどを利用して料理の手間を省いている男性が多い可能性が伺えました。
参考:男女共同参画白書 令和2年版「家族類型(男女別)ごとの1日当たりの家事・育児・介護時間と仕事等時間」
20代・30代の利用経験者は半数超え
年代別で見ると、20代・30代では出前アプリを利用したことがある方の割合は50〜60%前後に上りましたが、40代以上では大きく減少し、特に60代では16%に留まっています。デジタルネイティブ世代では最新のアプリやサービスを利用することに抵抗感がなく、むしろ新たな利用体験を積極的に求める方が多いことから20代・30代での利用率が高くなっているのかもしれません。また、一般的に出前アプリは若者が多い都市部での方が普及率が高いことも影響していると考えられます。
既婚者では「注文メリット」を感じやすい傾向か
未婚・既婚別で見ると、出前アプリを利用したことがある方の割合は、わずかに既婚者の方が多いという結果になりました。既婚者の場合は、家族全員分の食事を準備するのが時間や労力の面で大変な場合に、プラス一品として出前アプリを利用しているケースが多いのかもしれません。また、1人分だと割高感がある出前も、複数人分をまとめて注文すると割安に感じられたり、注文金額や送料無料の条件が満たしやすかったりと、利用のハードルが下がっている可能性が伺えました。
フードデリバリーサービスの普及により、様々なお店から好きなものを注文できる出前アプリだけでなく、各飲食店を展開している企業がアプリでも宅配サービスを始めるなど、激しい競争が行われています。物価高による節約志向で宅配離れも進む中、各社が実質値下げに踏み切るなど、今後も競争の激化が続いていくのかもしれません。
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「出前アプリ」を使ってる?経験者は約3割いるも、縮小傾向か?
https://www.afi-b.com/beginner/archives/tsushin/15103/
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