不動産仲介の仕事内容や、手数料に関してわかりやすくまとめました。
そもそも不動産仲介とは? という基礎の基礎から解説しますので、不動産取引が初めての方は必見です。
不動産 仲介が必要な理由
日本でもっとも一般的な不動産売却方法の一つが、仲介業者に委託して売る方法。
そもそも不動産仲介とは
簡単に言ってしまえば、仲介業者とは、売主の代わりに不動産の買主を見つけてくれる不動産業者です。
また、仲介だけではなく諸々の手続きや契約書作成の代行までを行います。
基本的に急ぎでない限り不動産の売却は仲介業者に委託するのがメインになるでしょう。
不動産仲介に依頼するメリット
不動産仲介業者を依頼する最も大きいメリットは自分自身の時間の使用を最小限で済ませることができる点。
具体的には、以下のようなメリットがあります。
- 情報の調査
- 物件の権利関係や規制、周辺関係などの調査
- 適正価格の判断
- 売買価格・賃料の適正価格の判断
- 書類作成
- 物件の重要事項説明書や契約書の作成
不動産仲介業者の業務
不動産の売買を始めるにあたり、問題になるのが売主と買主のコミュニケーション。
例えば不動産仲介業者がいないとしたら、買主と売主は不動産についてお互い充分に知識がないまま、しかも日常生活を送りながらやりくり必要があります。
それはとても大変です。
そのため、不動産取引の実務を代行する仲介業者は、取引において大事な役割を果たすのです。
不動産仲介業者は、不動産の売却・購入の両方に対して紹介から、売買契約・引渡しまでを代行します。
売主・貸主の場合
媒介契約・査定
物件を査定し、売買価格や賃貸料金の提案
宣伝するための物件の資料作成
チラシ−やインターネットなどのチャンネルを利用して物件の宣伝
販売活動に際して、不動産仲介業者は希望条件等などを話し合います。
当該地域周辺での調査を行い、その地域での不動産相場などや周辺の取引履歴などをもとに価格を査定します。
販売活動
- 販売・賃貸のプラン提案
- 内見日程調整
- 現地案内の調整
販売活動を始めるにあたり、売却要望に合わせて、売主と売却方法を話し合いを行います。
その上で、担当物件の売却を目指し、広告や仲介業者に登録して物件を探している買主に紹介を行います。
他にも、物件サイトへの掲載、内見やオープンハウスなどさまざまな販売活動を代行します。
売買契約
- 契約書の作成に伴う調査
- 契約書などの書類作成
- 決済などの対応
買主からの購入の申込みが行われあとは、売主・買主間の売買条件の交渉を代行します。
その際、売買金額だけではなく、引渡しを行うであろう時期、売買する際の代金を支払う方法など、細かなポイントのすり合わせも行います。
また、不動産の売買という大きな取引では特に大切となる、瑕疵などの重要事項や、売買に関する契約内容についての説明を行います。
買主・借主の場合

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
続いて、不動産仲介業者の買主・借主との契約においての仕事内容を紹介します。
物件の紹介
- 物件の紹介
- 内見の調整
買主の物件に対する要望などを聞きます。
その上で、希望する物件の種類、大きさや希望地域、買主の収入などの情報から、希望に応じた購入プランを案内。
また、その際に購入に必要な諸費用などの概算を行い、最も都合の合う資金フローのサポートを行います。
物件紹介に関しては、仲介業者の情報網を使用してユーザーのニーズにマッチした不動産をリサーチ、提案します。
また、買主から希望する物件への内見のリクエストがあった場合、当該地域への案内を行います。
売買条件の交渉・売買契約
- 売主/貸主間の交渉
- 書類作成
- 決済対応
買主が購入申込みした後、買主と売主の間の条件の交渉を仲介業者が行います。
具体的に行う業務として、売買金額・引渡し時期の調整に加え、売買代金の支払いなどの条件の調節を行います。
また、売買契約の前には買主に対して、瑕疵や契約内容などについて説明を行います。
不動産売却の仲介手数料
不動産を売却する際の仲介業者への手数料は、物件の売却価格に応じて価格が変わります。
とはいえ、天井知らずに価格が上がるのではなく、それぞれの売却価格に応じて上限額が定められています。
不動産売却の仲介手数料の上限額
不動産を販売した際の仲介手数料は、3つのレベルが設けられています。
複雑なのは、それぞれの売却額に応じて適用されるのではなく、適用されうるものが全て適用される、ということ。
つまり、例えば不動産の売却額が1000万円だった場合、まず200万円ぶんが5%、次に200万円分を4%、残り600万円を3%……という計算を行い、それぞれを足します。
計算方法まとめ
- 200万円以下の部分 =5%+消費税
- 200万円を超え400万円以下の部分 =4%+消費税
- 400万円を超える部分 =3%+消費税
不動産仲介 契約の種類専属専任媒介契約
仲介業者を一社に決める契約。すぐ売りたい人向け
専属専任媒介契約/専任媒介契約
専属専任媒介契約・専任媒介契約は、1社の不動産会社にのみ依頼する仲介契約。
この契約を結んだ場合、この契約を結んだ以外の不動産会社以外への仲介以来は契約違反となり、禁じられます。
専属専任媒介契約では、自分自身で売却先を見つけた場合でも、契約を結んだ不動産会社を仲介として通して取引することが契約として定められています。
依頼する側に対して強い拘束力を要求する専属専任媒介契約・専任媒介契約ですが、その対価として、仲介業者は、依頼者に対して一般媒介契約よりも手厚くすような法規制が定められています。
専任媒介契約は、専属専任媒介契約とほぼ同じです。一点異なるのは、専任媒介契約では、自分で見つけた買主と、不動産会社の仲介なしで契約を結ぶことが可能です。
一般媒介契約

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
一般媒介契約は、複数の仲介業者に仲介契約を結ぶことができる契約。
もちろん、自分で見つけた買主と、不動産会社の仲介なしで契約を結ぶことも可能ですし、それ以上に、複数の不動産会社に依頼できるのも魅力です。
大手不動産仲介紹介
不動産は扱う金額が高額ということもあり、ユーザーが特に評判を調べる業界。
むしろ今では、サービス面でどのように他社と差をつけるかを競っている状況です。
不動産売却について説明する前に、まずは、おすすめの大手仲介会社の比較表から、ご自身にあった業者のイメージを掴みましょう。
住友不動産販売
住友不動産販売は、全国に268店舗展開する大手不動産仲介会社。
- 特徴
- 仲介取引の始まりから終わりまでを一人が担当するという「マンツーマン営業体制」。
- 魅力
- 広告戦略を始め契約、引渡し、アフターフォローなどを担当ごとに分業せずに一人で担当するため、安心感が強い。
三井不動産リアリティ
三井不動産リアルティは、業界最大手の仲介会社。
- 特徴
-
三井グループの総合力を最大限に活かしたネットワーク
- 魅力
- 3,000人を超える多彩な技能を持つ豊富な人材を抱えているため
仲介業者に安心感・安定感を求める方に特におすすめ。
小田急不動産
小田急不動産は小田急沿線に20店舗を構える鉄道系不動産仲介会社。
- 特徴
- 鉄道を始めとする約100社から成る小田急グループの豊富なネットワーク。
- 魅力
- 不動産以外にも、業種を超えたサービスの提供が強み。小田急沿線の不動産売却をお考えの方には特におすすめ。
三菱地所ハウスネット
三菱地所ハウスネットは三菱地所グループに属する不動産仲介会社。
- 特徴
- 売買と賃貸両方を手がけていることが特徴で、さまざまなニーズに対応できる。
- 魅力
- 「家を売りたい人・買いたい人をつなぐ」ということを大切にしたサービスに力を入れている点と、
三菱地所ブランドというのも大きな魅力の一つ。
東急リバブル
東急リバブルは東急不動産ブループの大手仲介会社。
- 特徴
- グループのネットワークを活かした強力な売却力が特徴です。
- 特徴
- 売却後の瑕疵対応も対応する「あんしん仲介保証」などのサービスも手厚いのが魅力。
- 東急グループでもあるので、東急沿線の物件に強みがあります。東急沿線の物件売却をお探しの場合は特に強みがあります。
不動産仲介業者の選び方
一口に不動産売却といっても、選ぶべき不動産会社は売却する不動産によって変わってきます。
大手の不動産会社、地域の不動産会社はそれぞれ強みとするポイントが異なるので、違いを把握して自分にとっての最適解を考えましょう。
簡単にまとめるなら、大手の不動産・地域の不動産がおすすめの人はそれぞれ下記になります。
- 大手不動産会社がおすすめな人
- 希少で人気の高い不動産の売却を考えている人
- 高額な不動産の売却を考えている人
- 地域の不動産会社がおすすめな人
- 築年数が古い不動産を売却したい人
- 小規模な郊外の土地を売却したい人
以下では具体的に説明します。
大手不動産会社がおすすめな人
大手不動産会社がおすすめなのは、「希少で人気の高い不動産」「広い敷地」の売却を考えている人。
市場で高額がつきやすい不動産は、大手の情報網で売りに出されれば、より高額に、よりスピーディに売却することができるため相性が良いです。
また、販売力の高さから、不動産をできるだけ早く売りたい、という人にはおすすめです。
地域の不動産会社がおすすめな人
地域の不動産会社がおすすめなのは、「築年数が古い不動産」「小規模な郊外の土地」を売却したい人。
地域の不動産会社は、大手と比較して、担当している地域が限定されているため、より長い期間売却に携わることができます。
また、その地域に特化しているため、地域の不動産を希望する買主に対して訴求力が強いのも魅力です。
会社の規模より担当者の仕事ぶり
仲介業者は不動産売却という一大イベントに最後まで一緒に協力してくれるパートナー。
信頼に足る実績があるかということはもちろん、こちらの意図を汲み取ってくれるかなど、心の機微に聡く、誠実な業者を選びたいものです。
大手の不動産会社・地域の不動産会社の特徴をそれぞれ紹介しましたが、やはり担当者の人柄も大切です。
まとめ
不動産売却は一生に一度あるかないかの大イベントです。
焦らずじっくりと計画を立て、業者を選ぶのはやはり大切。
売約までに大勢の人が関わり、法律や専門知識、法的手続きなど一見大変そうな要素で溢れているので、最初は不安に思うかもしれません。
しかし、自分自身で「何が必要か」というポイントを押さえておけば、情報を収集して予備知識を備えておくことがむしろ楽しくなってきますよ。
当記事が不動産売却を初めて考えた方の手助けになれば幸いです。