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FXのスワップポイントと政策金利差との検証、変動傾向を調査
普段からFXのスワップポイントを意識していますか?
多くの方は…
しかしスワップポイントを上手く利用すれば、年利1〜5%を狙うこともできるのです。
また逆に、数週間以上ポジションを保有する人は、後述するマイナススワップで損をしているかもしれません。
そこで今回は、スワップポイントの基と政策金利との変動傾向ついて、専業トレーダーのひろぴーが解説します!
出典:https://fx.dmm.com/
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スワップポイントは政策金利を元とした金融派生商品
スワップポイントは、「金利差調整分」とも呼ばれ、2カ国間の政策金利の差を元としたデリバティブ商品(金融派生商品)です。
具体的には、ポジションを保有していると、各社が日々提示している金利分のスワップポイントが、ロールオーバーごとに損益に反映されます。
「ポイント」と聞くと企業が発行する電子ポイントの印象が強いですが、それとは異なります。
スワップポイントは、FXの取引と同様に評価損益に直接反映されるのです。
また似た金融用語に「通貨スワップ」や「為替スワップ」がありますが、それらとも異なります。
なおFX会社のページで「スワップ」と省略されている場合がありますが、正確には「スワップポイント」ですので覚えておきましょう。
スワップポイントの付与例
出典:外為どっとコム
例えば今年の8月第一週目に、ドル円を買いポジションで一万通貨(一万ドル)分保有した場合、45円のスワップポイントが付与されます。
ドル円の一万通貨は、レバレッジ25倍だと4万円ほどの証拠金で保有できます。
これだと少なく感じるかもしれませんが、年利に換算すると5%を超えてきます。2020年8月時点は低金利時代ですが、2018年ごろには1日75円ほどのスワップポイントが付与されていました。これは年利換算すると60%以上にもなります。
また、ポジションサイズを大きくしたりポジション保有期間を長くすれば、現実な額のスワップポイントになります。
スワップポイントの仕組み
出典:外為どっとコム
先述したように、スワップポイントの利率(スワップレート)の大元は政策金利※です。
FXは通貨ペアを売買するデリバティブですので、「通貨ペアを売買するのであれば、各国の金利も反映させよう」といったアイディアで生まれたのでしょう。
そのため理論的には、基軸通貨の金利から決済通貨の金利を差し引きし、スワップレートが求められます。
各国の政策金利や発表スケジュールは多くのFXが公表しています。なかでも、2008年からの金利をグラフで見ることのできる外為どっとコムがオススメです(上図)。
スワップレートの求め方
例えば2020年8月のドル円ですと、下記のように米ドルの金利(0.25%)から円の金利を(-0.1%)を引き、0.26%が目安となるスワップレートになります。
例)政策金利差の求め方
USD / JPYの場合
0.25 – (-0.1)=0.26%
このスワップレートがそのまま反映されれば、ドル円の買いポジションなら0.26%分のスワップポイントが付与され、逆に売りポジションであれば-0.26%分のスワップポイントが差し引かれます。
なおスワップポイントがマイナスになることを「マイナススワップ」と呼びます。
※政策金利とは、中央銀行が一般の銀行に融資する際の金利のことで、政府はこの金利を調整し経済の好景気・不景気をコントロールしています。
スワップレートは各社ごとに調整されている
ところがFX会社は、この数値に調整を加えた独自のスワップレートを提示します。
そのため買いと売りのスワップレートの絶対値は異なります。また政策金利差が上がってもスワップレートは下がるといったケースもあります。
スワップレートが変更されるタイミング
スワップレートが、どのくらい調整されるかを予想するのは困難です。
しかしスワップレートが変更されるタイミングは、基本的には政策金利発表前後ですので予めカレンダーに予定として入れておくと良いでしょう。
【検証】政策金利とスワップポイントの調整傾向
ポンド米ドル2020年3月のスワップポイント表と政策金利発表スケジュール
では政策金利が発表された際に、スワップポイントがどのくらい変更されているかを検証します。
3月18日に米国が政策金利を1.75%から0.25%に引き下げました。その後3月16日にイギリスが政策金利を0.75%から0.1%に引き下げています(図左上)。
3月17日以前 | 3月18日以降 | 3月26日以降 | |
---|---|---|---|
ポンド政策金利 | 0.75% | 0.75% | 0.1% |
米ドル政策金利 | 1.75% | 0.25% | 0.25% |
政策金利差 | -1% | 0.5% | -0.15% |
買スワップポイント(平均)※ | -54円 | -157円 | -21円 |
売スワップポイント(平均) | 33円 | 125円 | 3円 |
※1万通貨分のポジション保有時のスワップポイント
検証結果としては、マイナスであったポンド米ドルの政策金利差は、3月18日に米ドルの政策金利が低下したことで0.5%とプラスに転じました。
しかしそれによりスワップポイントが逆転することはなく、むしろ買マイナススワップはさらにマイナスになり、同様に売りスワップポイントもさらにプラスになりました。
政策金利差は好転したのに、調整によりスワップポイントは悪化したダイバージェンス(逆転現象)の代表例と言えます。
その後3月28日のポンドの政策金利低下により、政策金利差は最終的に–0.15%となり、スワップポイントと政策金利のダイバージェンスは解消されました。
今回の検証では、下記3点の傾向があることがわかりました。
- 政策金利差とスワップポイントがダイバージェンスするときがある
- ダイバージェンスは政策金利差が大きく変動するタイミングで起きた
- ダイバージェンスは政策金利差変動後に解消された
スワップポイントのまとめ
今回はスワップポイントの基本の解説と、政策金利との検証を行いました。
改めて今回の記事のまとめと、スワップポイントの特徴を記載します。
- スワップポイントは、2カ国の政策金利差を元としたデリバティブ
- 土日に発生したスワップポイントは平日に振替付与される
- スワップポイントの金利は各FX会社によって異なる
- 買いポジションと売りポジションでも異なる
- スワップレートは日々変動する
- 特に政策金利発表後は大きく変動しやすい
- 政策金利差とスワップポイントはダイバージェンスするときがある
- 高金利通貨はときに相場が急変するときがあるため注意
- FXの取引と同様に確定申告の対象となる
さらにスワップポイントの基本について知りたい人は「FXのスワップポイントとは?生活費を稼ぐための全知識を徹底解説!マイナス時の支払いにも要注意!」を、また各通貨ペアのスワップポイントの詳細を知りたい人は「【最新版】スワップポイント比較ランキング|通貨ペアごとのおすすめFX会社を徹底比較!!」をご覧ください。
出典:https://fx.dmm.com/
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