なんてお悩みの方のために本記事があります。
総量規制とは年収の1/3以上の借入はできない、という法規制のことを言います。
しかし、この総量規制は全ての契約を縛るものではありません。
つまり、やり方次第では年収の1/3以上の借入も可能ということになります。
本記事を読めば総量規制の対象外となるサービスについて、また総量規制を超えた借入をするためにすべきことが網羅できます。
必要な時に必要なお金が用意できるように、まずは基本情報からチェックしていきましょう!
- 総量規制とは利用者を守るための法規制
- 実は銀行カードローンは総量規制の対象外
- おまとめローンなら返済負担が減らせる
- 資金の使用用途が決まっている方は目的別ローンがおすすめ
- 「返済能力」を認められなければ総量規制対象外サービスは受けられない
総量規制って何?
そもそも「総量規制」とはなんなのか、ちゃんと答えられる方は少ないのではないでしょうか。
まずは、「総量規制」についての基本情報をまとめています。
総量規制とは債務超過を防ぐ法規制
多重債務問題を解決するために導入された法規制のこと。
この総量規制により賃金業者から借入できる金額は、年収の1/3までに制限されることとなりました。
例えば、年収が300万円の場合は100万円が借入上限ということになります。
総量規制の目的は?
では、総量規制という法規制が導入された目的はなんなのでしょうか。
総量規制による目的は2つあります。
- 賃金業社による過剰な貸付を規制すること
- 多重債務におちいている人を救済すること
総量規制が導入される前では、賃金業者から返済ができないほど借入をしてしまう多重債務者の増加が社会問題となっていました。
そこで、総量規制が導入され消費者の借入が制限されることとなりました。
総量規制の効果はすぐに表れました。
金融庁が2011年6月に作成した資料では、総量規制施行後の2007年2月から2011年4月までの変化が2つ記されています。
- 賃金業社5社以上から借入をしている多重債務者はおよそ100万人減少
- 個人破産をした人数はピークの2003年からおよそ半分に減少
このように、総量規制施行後からちゃんとその目的は果たしていると言えます。
総量規制の対象となる借入
年収の1/3以上の借入ができないとなると、住宅や車を買うことができなくなってしまうのでは?という疑問が浮かんできますね。
しかし、住宅ローンやマイカーローンといったような金融商品はこの総量規制の対象外となります。
住宅ローンなどの他にも、総量規制の対象外となるサービスは複数存在するのは確かです。
では、総量規制の対象となるローンはなんなのでしょうか。
賃金業社から直接金銭の貸付を行うもの
ここで言う賃金業社とは、お金を貸すことを業務としている会社のことです。
「賃金業社」には主に以下の2つが該当します。
- 消費者金融・・・プロミス、アコムなど
- クレジットカード会社・・・セゾン、オリコなど
では、「銀行」は賃金業社に該当するのでしょうか。
銀行や信用金庫・労働金庫などは預金サービスがメインとなるため、賃金業社には該当しません。
つまり、銀行が出しているカードローンのサービスは総量規制の対象外と言うことになります。
総量規制の対象外となる貸付は2種類
総量規制の対象外となるローンものには2種類あります。
- 除外貸付・・・シンプルに総量規制の対象外となる貸付
- 例外貸付・・・利用者に有利になる、不利にならない契約
それぞれについて詳しく解説していきます。
①除外貸付
除外貸付には、住宅ローンや自動車ローンなどの金額が大きいローンが該当します。
つまり、使用用途に制限があるローンが総量規制の除外の対象となると考えるとわかりやすいと思います。
総量規制の除外貸付となる主な契約の一覧がこちらです。
- 住宅ローン
- 自動車ローン
- 高額医療費の支払いのため借入
- 不動産を担保とする借入
- 有価証券を担保とする借入
もし、住宅ローンや自動車ローンが総量規制の対象になると、家や車を買うのはほんの一握りの人間のみという事になってしまいます。
住宅ローンでは年収のおよそ5倍までなら借入ができると言われています。
また、クレジットカードのショッピング枠も総量規制の対象外です。
普段の買い物で使っているクレジットカードのショッピング機能も、後払いをしていることになるので立派な金融商品です。
ただ、クレジットカードのショッピング枠はすぐに支払いをしなければならないので、一時的な応急処置的な対応になってしまう事は確かです。
②例外貸付
続いて、例外貸付についてです。
除外貸付と何が違うんだろうと思った方もいるかもしれません。
総量規制の例外貸付となる主な契約の一覧がこちらです。
- 緊急で必要な医療費の借入
- 個人事業主による事業のための借入
- 配偶者と合わせた年収の1/3以下のなる借入
- おまとめローン
おまとめローンは、「利用者に有利な契約」となるため総量規制の例外貸付となります。
利用者の支払い能力に問題がない、または緊急性が高いと判断された場合にこの紹介したような契約ができます。
除外貸付と例外貸付の違い
例外貸付の除外貸付との大きな違いは、総量規制の計算に入るか入らないかの違いです。
例を挙げて解説します。
〈例〉年収300万円の場合
【除外貸付】
自動車ローンで150万円の借入を行うとします。
年収の半分の金額ですが、除外貸付の対象のため借入が可能です。
また、ここで借入をした150万円は総量規制の計算に入りません。
つまり150万円の借入にプラスして、消費者金融などから総量規制で定められた年収の1/3以下(この場合だと100万円)の借入も可能となります。
【例外貸付】
医療費が緊急で必要となり120万円の借入を行うとします。
年収の1/3以上の金額ですが、例外貸付の対象のため借入が可能です。
例外貸付の場合、ここで借入をした120万円は総量規制の計算に入ってしまいます。
つまり、120万円はすでに総量規制で定められた年収の1/3以上の金額となってしまうため、消費者金融などから借入をする事ができません。
120万円の返済をしていき借入残高が80万円になった場合は、他の金融商品は20万円しか借入をすることができなくなるということです。
総量規制対象外となるローン4選
では、総量規制の対象外となるローンにはどんなものがあるのかご紹介していきます。
総量規制の対象外となるローンには、大きく分けて4つの種類があります。
・銀行カードローン
・返済に特化した「おまとめローン」
・目的別ローン
・個人事業主向けのローン
ご自身の用途や都合に1番合いそうなものを探してみてください。
それぞれのローンについて、解説していきます。
銀行カードローン
銀行は預金サービスがメインとなるため、賃金業社には該当しません。
つまり、銀行が出しているカードローンのサービスは総量規制の対象外となります。
- 低金利で借入ができる(上限金利でも平均15.0%程度)
- 使用用途の自由度が高い
- 適用限度額の範囲であれば、借入・返済が自由
銀行カードローンにはこのようなメリットがある一方で、審査が厳しいなどのデメリットもあります。
特に年収の1/3以上の借入を銀行カードローンでするとなると、より安定した収入と返済能力が求められることとなります。

借金を減らしたいなら「おまとめローン」
複数の金融機関からのローンを1つの借入先にまとめてしまう商品のこと
おまとめローンは、2社以上からすでに借入をしている方向けのローンです。
より返済に特化した金融商品となります。
おまとめローンは、複数の債務で重い返済負担がある方への救済措置とも言えます。
- アイフル
- アコム
- プロミス
総量規制対象外の「おまとめローン」を取り扱っている消費者金融会社はこちらの3社です。
- 毎月の返済が軽減される
- 現時点での借入に対する金利負担が軽減される
- 大手消費者金融の場合、即日融資が可能

総量規制対象外となる目的ローン
資金の使用用途が限られた目的別のローンは、総量規制の対象外となります。
自動車ローンや住宅ローンをご存知の方は多いかもしれませんが、実は様々な目的別ローンが存在します。
主な目的別ローンと、取り扱いのある銀行をまとめています。
資金の使い道が明確に決まっている場合は、比較的低金利で利用できる目的別ローンがおすすめです。
目的別ローン | 取り扱いのある主な銀行 |
---|---|
自動車ローン | ほぼ全て |
住宅ローン | ほぼ全て |
教育ローン (高校・大学・専門学校で学ぶにあたっての必要な費用) | ほぼ全て |
引越しローン (引越し時の初期費用に使える) | ・みずほ銀行 ・りそな銀行 ・住信SBIネット銀行 |
旅行ローン | ・三井住友銀行 ・楽天銀行 ・千葉銀行 |
ブライダルローン (結婚式等の費用に) | ・楽天銀行 ・常陽銀行 |
医療ローン (急な治療・入院費などに。美容整形にも適用) | ・千葉銀行 ・横浜銀行 ・名古屋銀行 |
この他にも、保険適用外の歯の治療費に使える「デンタルローン」や「ペットローン」などがあります。
一度ご自身の使用用途の目的ローンがないか調べてみても良いかもしれませんね。
個人事業主向けのビジネスローン
- これから自身でビジネスをしたい
- 自身の行う事業拡大のために資金を使いたい
ということであれば個人事業主向けのビジネスローンがおすすめです。
ビジネスローンを利用すれば、総量規制の対象外で大きな額を借入することが可能です。
主なビジネスローンを紹介します。
会社名 | サービス名 | 金利 | 限度額 |
---|---|---|---|
アイフル | ビジネスファイナンス | 3.1~18.0% | ~1,000万円 |
オリコ | CREST for Biz | 6.0~18.0% | ~300万円 |
セゾン | 個人事業主専用カードローン | 6.5~17.8% | ~500万円 |
ビジネスパートナー | スモールビジネスローン | 9.98~18.0% | ~500万円 |
オリックス | オリックスVIPローンカード BUSINESS | 6.0~17.8% | ~500万円 |

総量規制を超えた借入をするために必要なこと
ここまで、総量規制の対象外となるサービスを紹介してきました。
しかし、それぞれのサービスを利用するには審査をクリアしなければなりません。
審査をクリアするにあたって、「返済能力」を認められる必要があります。
総量規制を超えた借入をするにあたって、貸付する側もリスクが高くなるため審査も厳しくなってしまいます。
では、その審査を受けるために当たって何をすれば良いのか、注意点などもチェックしていきましょう。
安定した収入と収入証明書の提出
当たり前ですが、総量規制の対象外ともなる大きな額を借りるためには返済能力を認められなければなりません。
すなわち、総量規制の対象外ともなる大きな額を借りるためには安定した収入が必要という事です。
また、その安定した収入があることを証明する書類を提出しなければならないケースがほとんどです。
この収入証明書の提出は、日本賃金協会で定められたものとなります。
- ある賃金業者から50万円を超えた借入をする場合
- 他の賃金業者からの借入も合わせて合計100万円以上の借入をする場合
以上の場合は、収入証明書の提出を必ず求められます。
総量規制以上の借入をするに当たって、このいずれかのケースに当てはまることがほとんどだと思います。
- 源泉徴収票
- 所得証明書
- 納税通知書・納税証明書
- 確定申告書
- 直近2ヶ月の給料明細書
この中のいずれかを、審査の前に準備しておきましょう。
借入総額が年収を超えると断られる
総量規制の対象外のサービスとは言っても、返済能力を大幅に超えた借入は審査で落ちてしまう可能性が高くなります。
借入残高の総額が年収を超えてしまっている。
総量規制対象外のサービスを受けるにあたり、年収を超える額を希望するのは難しいと覚えておきましょう。
大きな額を借入できたとして返済ができなくなった場合、貸金業者が損してしまいます。
借入を希望する額、現在借入をしている額などを今一度見直してみましょう。
延滞・滞納を繰り返していると審査に不利
信用情報に傷があると、審査に不利になってしまう事は間違いありません。
クレジットやローンの申し込みや契約に関する情報のこと。
顧客の信用情報は、信用情報期間が全て管理しています。
総量規制対象外のサービスを受けるにあたって、チェックされる信用情報は以下の通りです。
- 過去のクレジットやローンの支払遅延の有無と回数
- これまでの携帯電話料金の支払遅延の有無と回数
- 奨学金の返済状況
賃金業社は大きな額を貸し付けるのですから、返済を続けることができる人間なのかを判断する必要があります。
自分の信用情報がどのように登録されているのか、信用情報期間のホームページから信用情報を開示することもできます。
気になる方は一度チェックしてみましょう。

総量規制対象外まとめ
ここまで、総量規制の基本情報と総量規制対象外サービスについてまとめてきました。
そもそも総量規制とは、利用者を守るための法規制です。
多額の借入により、生活に影響が出たり最悪の場合個人破産に至る可能性も忘れてはいけません。
明確な目的がある場合には、今回ご紹介して情報をもとにご自身に適したローンを検討してみましょう!
それでは、本記事のまとめです。
- 総量規制とは利用者を守るための法規制
- 実は銀行カードローンは総量規制の対象外
- おまとめローンなら返済負担が減らせる
- 資金の使用用途が決まっている方は目的別ローンがおすすめ
- 「返済能力」を認められなければ総量規制対象外サービスは受けられない